<園長先生のつぶやき

 その25 お泊り保育>

 

 

園バスから降りてくるなり、自分の帽子を地面に投げつけて泣きながらじっとたたずんでいる子が目に入ってきました。

 

 

きっと、お母さんと離れるのがつらくてバスの中で泣くのを我慢していたのでしょう。バスを降りたとたんに張り詰めていた心が爆発し、あのような行動に出たのだと思います。

 

 

でも、バスから降りてくる他の子どもたちの行動にびっくりしました。

 

 

Aくんに投げた帽子をかぶせてあげる子、かぶせてもらった帽子をまた地面に投げたAくんに今度はAくんが投げないようにあごひもをしてあげる子、

 

投げ続けるAくんに「どうしたの?」とやさしくなだめる子、手を繋いで一緒に教室に行こうとする子、だれ一人として無視する子がいないのです。

 

 

私だと強引に抱っこしたり、おんぶしたりして教室に連れて行こうとしますが、その子の心は動かすことができません。最後にはAくんは友だちと手を繋いで笑顔で教室に行きました。

 

きっとAくんには友だちの優しい心が伝わったのですね。こんなにたくさんのお友たちから声をかけられるAくんは、きっと日頃から友だちに対してやさしい態度がとれる素敵な心の持ち主ですね。

 

今日は朝からうれしくなりました。

 

 

【お泊り保育】

 

今年も年長組が夏休みに広島市三滝少年自然の家の施設に一泊二日で「お泊り保育」を実施します。子どもたちは勿論、保護者の方もとても楽しみにしている行事の一つです。

 

 

きまりや時間を守ることを学ぶ活動内容。子どもにとっては初めて親と離れての集団生活への不安も高まってきます。

 

しかし、ウッドペンダント作りをしたり、友だちと一緒に風呂に入ったり、いつもと違う環境の中で自然に親しみながら友だちと送る生活は大変貴重な体験となります。

 

 

「お泊り保育」ではゆったりとした時間の中で、三滝の自然を楽しみ草花や虫に触れることで新しい発見や体験をします。

 

また、朝の散策やクラスの出し物などを通して、友だちと協力したり励まし合ったりしながら、楽しさや喜びを分かち合うことで仲間意識が芽生えてきます。

 

このように、一つの目標に向けてみんなで活動することは、友だちの大切さを知り、友情を深めます。そして、みんなと共同生活をすることによって、社会のルールを守る社会性を身につけることもできます。

 

 

幼稚園を出発するときは不安や寂しさから、浮かない顔をしていた子どもたちが、一泊二日のプログラムを終え園に到着したとき、家族の方に「〇〇くんと一緒に寝たよ。」「カレーおいしくておかわりしたよ。」と生き生き話している姿を見ます。

 

「お泊り保育」の二日間でお母さんやお父さんの力を借りなくても自分ひとりの力でできたという達成感と、家族に会えた嬉しさと家族の愛情を改めて感じることができたからでしょう。

 

この「お泊り保育」は子どもたちを大きく成長させるための大切な行事の一つであると考えています。

 

 

コロナウイルス感染症対策も規制が緩和され、昨年から「お泊り保育」を通常通り実施できるようになりました。日々積み重ねた教育環境や保護者の協力のもとに充実した「お泊り保育」を無事終了できることを今年も願っています。