<園長のつぶやき その9> 

青少年赤十字(Junior Red Cross)活動について

 

青少年赤十字(JRC)は、園児・児童・生徒が赤十字の精神に基づき、世界の平和と人類の福祉に貢献できるよう、日常生活の中での実践活動を通じて、いのちと健康を大切に、地域社会や世界のために奉仕し、世界の人びととの友好親善の精神を育成することを目的として、さまざまな活動を教育活動(学校教育)の中で展開しています。

 

また、青少年赤十字(JRC)は、特定の宗教やイデオロギーに左右されていません。すべての宗教や思想的な違いを越えて、人間同士がお互いを理解し合い、認め合いながらお互いを助け合う発想に支えられています。

広島県内の多くの学校や幼稚園・保育園が加盟登録をし、教育活動しています。

 

広島県の平川理恵教育長様も「青少年赤十字加盟校の児童生徒は、日常的にボランティア活動や国際交流などに取り組み、その中で、課題に気づき課題解決の道筋を主体的に考え、仲間と協力して一歩ずつ実行することを学んでおり、このことは広島県が推進している主体的な学びと軌を一にするものです。」と述べられています。

 

本園も加盟校として色々な取り組みを行っています。その一つが「戦争で傷ついているウクライナの子どもたちに折り鶴を送って励まそう」プロジェクトです。

 

子どもたちは、先生と一緒にウクライナの子どもたちが平和に暮らせる日が来ますようにという願いを込めて毎日少しずつ折っています。保護者の皆様にもご協力を頂き感謝しています。有難うございます。目標に達しましたら、日本赤十字社に持って行きウクライナの子どもたちに届けてもらおうと思っています。

 

先日、小坂先生(旧姓:蔵谷先生)の執筆した、本園の青少年赤十字(JRC)活動の取り組みが、青少年赤十字(JRC)の会誌を通じて広島県内の幼稚園・保育園をはじめ各小・中・高学校などの教育関係機関に紹介されましたので、その全文を下記に載せます。

 

実践報告

「幼稚園におけるJRC活動について」

学校法人田口学園 ちどり幼稚園 教諭 蔵谷美貴

 

○本園の取り組み

ちどり幼稚園は『「気づき・考え・実行」できる園児の育成』を教育目標に掲げています。令和3年度の取り組みとして、挨拶運動の実施、そして令和元年度から行っている、子どもたちの心と身体を鍛える「体力づくり」を行いました。

 

○挨拶ができる子どもに

今年度はまず挨拶カードを作り、「子どもたちが職員に挨拶をしたらカードがもらえる」というルールを作りました。そこで子どもたちは保育者だけではなく、事務の先生や、バスの運転手さんなどいろいろな方へ挨拶をするようになりました。挨拶を通して人との関わりが生まれ、職員と子どもがお互いに名前で呼び合う温かい雰囲気が生まれました。

 

子どもたちの挨拶の習慣もついてきたので、今度は「素敵な挨拶をしたお友だちひとりに職員がバッチを渡す」という内容に変えていき、ただ挨拶をするのではなく、立ち止まったり、目を合わせたり、お辞儀をしたりと心のこもった挨拶ができるようになってきました。主に年長の子どもたちが取り組んでいるのですが、その姿を見ている年中や年少の子どもたちも真似をして進んで挨拶をするようになりました。大人が何も言わなくても子どもたちは自分の目で見て、気づき、考え、行動できるのだと実感した出来事でした。

 

挨拶は人との関わりの中でなくてはならないものです。引き続き子どもたちの成長を見守っていきたいと思います。

 

○心も身体も強い子どもを目指して

「運動大好きちどりっ子」をテーマに年間計画に基づいて「体力づくり」を各学年取り組んでいます。「走る・跳ぶ・投げる・ぶらさがる」の4種目の動きを様々な遊びを通して身に付けていきます。鬼ごっこやなわとび、紙飛行機とばしやタオル綱引き、サーキット運動などしっかり遊んでいきながら、体力をつけている子どもたち。遊んでいく中で「どうしたらもっと早く走れるかな」「どうしてお友だちは遠くまで投げることができのだろう」と考える姿も見られるようになりました。

 

そういった疑問はクラスや学年で一緒になって考えていき、コツを見つけていきます。そして繰り返しチャレンジ!毎月行う測定でも着実に体力がついていることが記録として表れています。また、取り組んでいく中で、諦めずに挑戦したり、目標に達したときに思いきり喜んだり、うまく出来なくて涙が出たり、友だちの姿に「すごい!」と拍手が起こったり…達成感や時には悔しさ、また友だちを応援する気持ち、友だちからの励まし、などいろいろな思いを子どもたちは感じているようです。そういった姿から心の成長も感じ取ることができています。

 

○さいごに

子どもたちが挨拶運動や体力づくりなどのいろいろな場面で「気づき・考え・実行する」力を発揮していることを日々の保育を通して実感しています。大人になっても必要なこの力、しっかり伸ばしていきたいと思います。