<園長先生のつぶやき その29

言葉遣い「はい」の大切さ>

 

卒園生の保護者からお手紙をいただきました。

ちどり幼稚園の皆様へ

 

コロナ渦で様々な制限のある中、園長先生を始め、幼稚園の皆様が工夫を凝らしたくさんの経験をさせてくださり、本当にありがとうございました。

ご迷惑をおかけすることも多く申し訳ありませんでしたが、たくさんのサポートをしていただきました。

 園庭開放でちどり幼稚園を訪れたとき、泣き叫ぶわが子にいつも「泣かなくて大丈夫だよ」「一緒に遊ぼうね」とたくさんの園児さんたちが声をかけてくれました。こんな優しさを育てている幼稚園で過ごして欲しいと入園を決めたのをはっきり覚えています。そして、卒園した今、ちどり幼稚園に通わせてもらって本当に良かったと思っています。

             ・・・中略・・・

在園中は担任の先生には、わが子の心にいつも寄り添っていただきました。そのおかげで毎日を安心して楽しく生活できました。

他の先生方にも園バスや預かり保育などでわが子の頑張りや友だちと楽しく遊んでいる様子を教えていただき、バスの運転手さんや事務の先生にもいつも優しく見守っていただきました。また、わが子だけではなく、私も幼稚園の皆様にたくさん支えていただきました。本当に感謝しています。ありがとうございました。

 

 

卒園されて、しみじみとちどり幼稚園で過ごした良さを語ってくださっているこのお手紙に、私たち職員一同は本当に励まされました。

ありがとうございます。

 

 

 

 

ー基本的生活習慣の定着を図る「はい」「です」「ます」の指導を通してー

 

 

ちどり幼稚園では、これを幼稚園経営計画の本年度の重点目標に掲げ取り組みを進めています。

 

中でも「はい」と言える園児の指導に力を入れています。

 

〇〇ちゃん、○○くんと呼んだ時にすぐに「はい」と自然に返事ができる子どもの育成を目指しています。

 

学校の授業中に先生からこの問題が分かった人は手を挙げてくださいと言われ、「ハイ!ハイ!ハイ!」と一斉にみんながわれ先に言う「ハイ!」とは違います。

 

職員室におやつを入れるお皿を取りに来たときに、「失礼します。〇組の〇〇です。お皿を10枚ください」と言え、「10枚ですか?」と尋ねられたときに「はい。10枚です。ありがとうございます」と言える子です。

 

年長組ぐらいになるとすでに身に付けている子がいてその態度、返答に感心させられます。

 

 

 

中学生の面接指導で中学校名を教えてくださいと質問したときに、「〇〇中学校です」と答えた場合と「はい。○○中学校です」と答えた場合では第一印象も随分違ってきます。

 

相手に好印象を与えるためには、小さな頃から自然とそういう受け答えができるようになっておくことが大切であると思います。

 

幼稚園ではまだ子どもだから、まだわからないからで済ませたりはしません。

 

「先生、トイレ」と言ってきた子には「先生、トイレに行っていいですか」とその場で正しい言い方を指導します。

 

「むかつく」「うざい」「くそか」「知らんし」など汚い言葉を無自覚に使って相手を傷付け、人間関係を壊してしまうことがよくあります。

 

子どもの生活ではごく普通の会話で平然と人目をはばからず、発せられるようになってしまっています。

 

こうした子どもたちの言語環境の乱れは、1980年以降のTVドラマの影響がいまだに続いているのかもしれません。

 

 

教育に携わる私たちは、言葉遣いについては子どもが言葉を覚え始めた初期の段階で正しく教えなくてはならないと考えています。教室では「~しんちゃい」と教師が話しかけるのはふさわしくないので「~しましょう」と指示します。

 

つい、子どもが小さくて幼いので見過ごしてしまいそうになるかもしれませんが、子どもたちは、正しい言葉遣いを正しく教えてもらうと正しい言葉遣いが身に付いていきます。

 

また、家庭では正しくない言葉遣いをしたときは、「正しくないよ。おかしいよ」とはっきりと教えてあげてください。

 

特に、汚い乱暴な言葉遣いをしたときは使い始めの時期を見逃さないでほしいと思います。

 

 

ちどり幼稚園では園児たちに「正しい言葉遣いの指導」を通して、友達や家族を大切する優しい子を育てています。