<園長のつぶやき その13>
「褒めることの大切さ」
挨拶カードをポケットから出して「いつも素敵な挨拶ありがとう。」と言って子どもたちに渡していると、年長組のAちゃんから「園長先生、挨拶カードはビニール袋に入れておくといいよ。落とすよ。他の先生たちはビニール袋にカードを入れて、そこから出してみんなに渡しているよ。」って注意を受けました。
Aちゃんはえらいなぁ。先生たちがどのようにしてカードを渡しているかをよく観察しています。その日から私は挨拶カードをビニール袋に入れることにしています。かわいい年長組の小さな先生に朝から元気をもらいました。ありがとうね。
さて、ちどり幼稚園では「褒めて育てる」を基本に教育を進めていいます。大人もそうですが人から褒められるとすごく幸せな気分になります。子どもが友だちや先生から「○○くんカッコイイ」「○○ちゃん偉いね」って言われ、喜んでいるときの顔は本当にいい顔をしています。こちらまで幸せな気持ちにしてくれ、その日1日楽しく過ごせます。
20人園児がいれば20の個別指導が必要になってきます。それも「個を生かす」指導法です。私が小学校で学級担任をしていたころ、一人ひとりの性格を知るために、休憩時間になると子どもと一緒に運動場に出て夢中になって遊びました。
放課後は子どもたちに「下校してから、学校に来て遊べる人はドッジボールをやるのでおいで」と言って、運動場で子どもたちと暗くなるまで遊んでいました。遊びを通して子ども一人ひとりの個性を知り、信頼関係を築くことができました。
幼稚園は子どもにとって初めての学校です。幼児期の終わりまでに育ってほしい「10の姿」を小学校に入学するまでに育てなくてはいけません。
2018年4月より施行された幼稚園教育要領に示された「10の姿」とは
①健康な心と体 ②自立心
③協同性 ④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり ⑥思考力の芽生え
⑦自然との関わり・生命尊重 ⑧数量・図形、文字等への関心・感覚
⑨言葉による伝え合い ⑩豊かな感性と表現
この「10の姿」は卒園までに育まれてほしい子どもの姿や能力が10個の具体的な視点から捉えて明確化されています。
幼児の教育で大切なことを一番に上げるとしたら率先垂範ではないでしょうか。幼児期の子どもに確かな学力(生きる力=10の姿)を身に付けさせるためには必要不可欠です。
山本五十六の「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」という有名な言葉があります。
子どもの教育で大切なことは、その子が本当に努力してできたことを認め、しっかりと褒めてやる。それもみんなのいる前がいいと思います。1人より2人、2人より20人の前で褒められたことは一生覚えています。そしてそのことが自信に繋がりぐんぐんと伸びていきます。
そして、子どもが悪いことをして素直に「ママ、ごめんなさい」と言ってきた時は子どもの目線まで身を低くして「謝ることができて、偉いね。もうしないでね。」とお母さんの気持ちを、お母さんの言葉でしっかりと褒めて伝えましょう。
これからもちどり幼稚園の先生たちは子どもたちとの会話を大切にし、しっかり褒めながら伸び伸びと育てていきます。