<園長先生のつぶやき
その31 学級づくりと話し合い活動>
子どもは親の後ろ姿を見て育つとよく言われていますが、幼稚園や学校においては親と同じで先生の後ろ姿を見て育ちます。
そういった意味でも学級経営は大切になります。
学級経営の基本は一人ひとりの子どもを生かすことを常に心掛け、真剣に向き合って生活していくということではないでしょうか。
特に新年度はクラス替えもあり初めての先生や友だちとの出会いの時です。
子どもたちは期待と不安で胸が張り裂けそうになるくらい気持ちがいっぱいになっています。
初めての出会いは大切です。
担任もとても緊張しますが、笑顔と元気とやる気で「おはよう!今度〇〇組の担任になりました〇〇です。よろしくお願いします。」と子どもたちに爽やかに挨拶をします。
私の経験からするとクラスの子どものおよそ7割は、このクラスでよかったと思ってくれますが、3割は「がーん。」とショックを受けていました。
こんな感じで新学級がスタートしていきますが、学年終わりが近づく頃には、例えば私が職員室に用事があって教室を出ようとすると「先生、職員室に行っちゃダメ!」と手を引っ張ったり、服を引っ張ったりしてなかなか職員室に行かせてもらえなくなるくらい「先生が大好き!」の子が増えて学級を閉じることができたときは最高に幸せでした。
このような学級を作っていくためには、担任にとっては学級開きから一ヶ月の時期がとても大切になると思います。
好きな食べ物や遊びなどを話題にして子ども一人ひとりに丹念に声かけをし、その子の性格を把握しながら信頼関係を築いていきます。
クラスが変わって不安だった子どもには、優しいまなざし・言葉かけで先生の温かさが伝わり、自分のことをいつも気にかけてくれているという安心感が生まれてきます。
また、この時期先生は子どもと一緒になって遊び、クラスの仲間意識を高めることが必要だと思います。先生や友だちと打ち解け、学級は楽しいところ、落ち着いた自分の居場所であると感じる子が増えていけばきっと多くの子どもが「このクラス大好き。先生、大好き。」と思ってくれるはずです。
ここでやらなくてはいけないことは、年長組の学級づくりでは子どもたちと話し合いながら生活のきまりや勉強のとき(学びタイムや英会話教室など)の約束を作ることです。
幼稚園では年長組になると話し合い活動もできるようになりますから、話し合いの進め方や話し合いのときのルールについて教えてみてはどうでしょうか。
話し合い活動を指導していく中で子ども達が中心になって、自分たちの生活を豊かにしていくような活動ができるように進めてみるのもいいかもしれません。
先生は子ども同士が顔をつき合わせて行う話し合いの場面では、友だちの話をよく聞く・参加できない友だちには参加を促す・友だちを馬鹿にしない・友だちの発言を分かりやすく言い換えるなどの話し合いに必要なスキルを教え励ましながら、ルールの中ではどんな発言でも自信をもって自由に言える雰囲気を作ることが重要です。
話し合い活動の中で、うなずく、相槌を打つことや話している友だちに顔を向ける動作を具体的に示してやり、正しい質問の仕方や意見の出し方を指導しながらコミュニケーションスキルを育成していくといいでしょう。
自分たちで話し合って作ったルールはみんなが正しく守り、きっと最高のクラスができていくはずです。
頑張ろう!ちどりの子どもたち。