<不思議な力その3>「教育的瞬間」

 

<不思議な力その2>では、「先名後礼」のお話をしました。

 

2022年(令和4年)明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

昨年、ある保護者の方からこんな話を聞きました。「うちの子が朝起きるとすぐに『お母さん、おはようございます。』と言ってくれるようになりました。我が子の成長した姿を見ることができて本当にうれしく思います。これもちどり幼稚園の挨拶指導のおかげだと感謝しています。」こんな保護者の方の喜びの声を頂くと、園長としても本当にうれしいですね。

 

 ある日、職員室に入ると先生たちのこんな会話が耳に飛び込んできました。

「C君は挨拶する前にカードちょうだいの手を先に出すのよね。」「なんかカードがご褒美みたいになっているみたいで、困ったわ。」確かに、私を含めどの教職員も困ったはずです。

 

 そこで、この「挨拶カード」は子どもたちの挨拶を高めていくツールの一つであると考えてみてはどうでしょうか。

カードをちょうだいと手を先に出す子は、まだ1の段階で、1からスタートして2段階、3段階と成長していく。挨拶指導の面白さ、魅力はそこにあります。先生の問いかけひとつ(子どもにどうして?なぜ?と考えさせる)で子どもたちは大きく育っていきます。

C君が手を出したその時がチャンスです。「教育的瞬間」を見逃さず、その場で「ちょっと待って、それはおかしいよ。」「どうして、おかしいと思う?考えてごらん。」って問いかけてみてはどうでしょうか。子どもは先生の問いかけに対して、カードちょうだいって手を出すことは良くないと「気づき」、じゃ、どうしたらいいのだろうと真剣に「考え」た子どもは、カードちょうだいの手を出さない行動「実行」が取れるようになり、次のステップ2へ進んでいきます。

 

先生(私も含めて)たちもこのカードで日々、新しい発見と成長をしています。